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SMBCグループ

金融経済教育における「社会的インパクト評価」の実施について

株式会社三井住友フィナンシャルグループ(執行役社長グループ CEO:太田 純、以下、当社グループを総称して「SMBC グループ」)は、SMBCコンシューマーファイナンス株式会社(代表取締役社長:金子 良平)が実施し、2020年2月に累計受講者が100万人を達成するなど、SMBCグループにおける社会貢献活動の中核をなす「PROMISE 金融経済教育セミナー」(以下、本セミナー)(注1)を対象事業とした「社会的インパクト評価」(以下、本件評価)(注2)を実施いたしました。

当社は、価値創造プロセスや、2020年4月に策定した「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」で毎年社会的インパクト評価の結果を公表するというKPIを掲げているように、事業活動においては財務的成果に加え、その結果もたらされる社会的インパクトの創出が重要であると認識しております。然しながら、社会的インパクト評価を用いて、自社の事業活動を評価する取組は緒に就いたばかりです。

こうした中、今回、本セミナーを対象事業とした社会的インパクト評価を実施することといたしました。本セミナーを対象事業としたのは、SMBCグループとして注力する金融経済教育を通じて、受講者のお金に関する学びや意識・行動の変化といった社会的インパクトを創出できているのか、客観的に分析し、より効果的なプログラムにしたいと考えたためです。 本件評価により、次頁「本件評価のサマリー」のような分析結果を得ることができました。この結果に関する報告書は、企業による社会的なインパクト評価の事例として参照していただくために、全体を当社ホームページにて公表しております。(末尾URL参照) なお、本件評価は、特定非営利活動法人ソーシャルバリュージャパンが実施し、金融機関では国内初の金融経済教育に対する社会的インパクト評価となります。

今後、本件評価を通じて得られた知見や気付きを踏まえ、より効果的なプログラム作りを進めてまいります。また、本件評価に留まらず、社会的インパクト評価の取組を継続して行うとともに、その結果を公表していきます。 SMBCグループは、サステナビリティ宣言に基づきお客さまをはじめとするステークホルダーとの対話を重ね、共に行動することにより、サステナビリティの実現に積極的に貢献してまいります。

2020年度 社会的インパクト評価報告  

 

(ご参考)本件評価のサマリー

● 2020年12 月、名古屋市内私立高校において、PROMISE 金融経済教育セミナーに関する社会的インパクト評価を実施した。対象となったのは、1年生 160 名、2年生131 名、3年生 74 名である。1年生に対してはセミナーの受講前、受講後での比較を行った。 ● 評価手法は、調査票による定量調査と、インタビューによる定性調査とした。インタビューはセミナー受講前後に各1回、1年生4名に対して行った。 ● 客観的金融リテラシーは、セミナー受講後、1年生全体で正答率37.8%から48.2%へと有意にスコアが向上した。 ● 金融リテラシー・マップの全分野で1年生事後のスコアが向上し、「生活設計」、「金融取引の基本」、「金融・経済の基礎」、「ローン・クレジット」、「保険」、「資産形成」においては、「金融リテラシー調査 2019年」の学生スコアよりも高かった。 ● 行動特性・考え方のうち、「収入の把握」、「支出の把握」、「横並びバイアス」、「消費傾向」、「消費に関する自己評価」 において、セミナー受講後にポジティブな変化が見られた。一方、行動特性・考え方のうち、「慎重性」、「計画性」、「損失回避行動」、「支払の認識」において、セミナー受講後にマイナスの変化が見られた。これはセミナー受講による振り返りによって自己評価の判断基準に変化が起きたことが要因の一つと考えられる。 ● 金融経済教育に関する関心をヒアリングしたところ、セミナー受講前は全員が特に関心を持たなかったが、セミナーを契機に、税金や投資といった具体的なトピックに関心を持った。高校生がこれまで関心がなかったことや新しい分野に関心を持ったことは、プログラムによる一つのインパクトと考えられる。 ● 金融リテラシーを維持・向上するためには、定期的なセミナーの提供やコンテンツの多層化等が有用であり、より詳細な分析には対象群を設定した、継続的な社会的インパクト評価の実施が望ましい。

(注1)PROMISE 金融経済教育セミナー
SMBCコンシューマーファイナンス株式会社が、未来を担う学生や地域の方々のお金に関する正しい知識と適切な判断力の習得を支援すべく、2011年より全国にあるお客様サービスプラザが主体となり開催しているものです。2020年2月には累計受講者が100万人を超え、SMBCグループにおける社会貢献活動の中核と位置づけられる取組となっています。「SMBC Group GREEN×GLOBE 2030」では、「2020年度から2029年度の金融経済教育等への参加者数150万人」を目標に設定し、より多くの方々への金融経済教育の実施に努めております

(注2)社会的インパクト評価
事業や活動の短期・長期の変化を含めた結果から生じた「社会的・環境的な変化、便益、学び、その他の効果」を社会的インパクトと言います。これを定量的・定性的に把握し、事業や活動について価値判断を加えることが「社会的インパクト評価」となります。詳しい解説については、三井住友フィナンシャルグループが運営する環境・社会課題解決の ための事業者コミュニティ「GREEN×GLOBE Partners」の専用ウェブサイトをご覧ください。

社会的インパクト評価入門~第1回 なぜ、社会的インパクト評価が必要とされるのか  

社会的インパクト評価入門~第2回 社会的インパクト評価の手法・展望・課題  

【イベントレポート】新しい企業価値評価の枠組み“社会的インパクト”  

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